アスベスト調査に必要な資格とは?調査を行える人の条件や制度を解説

公開日:2026/09/15
アスベスト調査 必要な資格

建築物の解体や改修工事では、事前に有害建材の有無を確認することが重要です。近年の法改正で、調査を行う人にも一定の知識や資格が求められるようになりました。しかし、どのような資格が必要なのか分からない人も多いでしょう。この記事では、調査を行うために必要な資格の種類や制度の概要、依頼先を選ぶ際のポイントについて解説します。

なぜアスベスト調査に資格が必要になったのか

建築物の解体や改修工事では、適切な事前確認が欠かせません。まずは資格制度が設けられた背景について見ていきましょう。

法改正によって専門知識が求められるようになった

アスベストは吸い込むことで健康被害を引き起こす恐れがあるため、建材に含まれているかどうかを正確に判断する必要があります。しかし、建材の見た目だけで含有の有無を判断することは難しく、専門的な知識が求められます。

そのため、一定規模以上の解体工事や改修工事を行う際には、専門的な教育を受けた人による事前調査が必要とされるようになりました。2023年10月以降は、原則として有資格者による事前調査が求められており、誰でも自由に調査できるわけではありません。

制度の整備によって調査の精度向上と健康被害の防止が図られています。

誤った判断が重大なリスクにつながる

事前調査で見落としが発生すると、工事中にアスベストが飛散する危険があります。飛散した繊維を吸い込むことで、作業員だけでなく周辺住民にも健康被害が及ぶ恐れがあります。

また、法令違反として行政指導や工事停止などの対象になる場合もあります。そのため、正しい知識をもつ専門家による調査が重要視されています。建築物の所有者や工事発注者にとっても、適切な調査体制を整えることは重要な責任のひとつです。

事前調査を行うために必要な主な資格

現在は建築物の事前調査を行うための資格制度が整備されています。代表的な資格について確認しておきましょう。

建築物石綿含有建材調査者

建築物の事前調査を行う資格として広く知られているのが建築物石綿含有建材調査者です。一定の実務経験や資格要件を満たしたうえで講習を受講し、修了することで取得できます。

建築物石綿含有建材調査者には複数の区分があり、一般建築物石綿含有建材調査者は戸建住宅から大型建築物まで幅広い建物の調査に対応できます。調査結果は解体工事や改修工事の計画にも大きく関わるため、専門知識と調査能力が求められます。

一戸建て等石綿含有建材調査者

戸建住宅や共同住宅の専有部分など、比較的小規模な建築物を対象とした資格として一戸建て等石綿含有建材調査者があります。対応できる建物の範囲は限定されますが、住宅リフォームや戸建住宅の解体工事などでは活用される機会が少なくありません。

住宅分野に特化した調査資格として位置付けられています。

分析業務に関する資格との違い

事前調査を行う資格と、採取した試料を分析する資格は役割が異なります。建材のサンプルを分析する業務では、分析技術に関する専門知識や技能が求められます。

そのため、調査資格をもっているだけで分析業務を行えるわけではありません。実際には調査担当者と分析機関が連携しながら含有の有無を確認するケースも多く見られます。

調査会社を選ぶ際は、現地調査から分析まで一貫して対応できる体制が整っているかを確認することが大切です。

調査会社を選ぶ際に確認したいポイント

事前調査の精度を高めるためには、依頼先選びも重要です。資格の有無だけでなく、対応体制や実績なども確認しておきましょう。

有資格者が在籍しているか確認する

調査会社を選ぶ際は、まず有資格者が在籍しているかを確認することが大切です。資格を保有していても実際の調査経験が少ない場合もあるため、建築物の調査実績についてもあわせて確認すると安心です。

とくに古い建築物では使用されている建材の種類が多岐にわたるため、豊富な経験をもつ調査担当者がいる会社のほうが適切な判断を期待できます。

また、資格取得後も継続的に法改正や調査手法に関する知識を更新しているかどうかも重要なポイントです。最新の制度に対応できる会社を選ぶことで、調査後の手続きも円滑に進めやすくなります。

分析まで対応できるか確認する

現地調査だけでなく、必要に応じて分析まで対応できる会社を選ぶことも重要です。建材によっては目視だけでは判断できず、分析機関での検査が必要になる場合があります。

分析体制が整っている会社であれば、調査から結果報告までを一括して依頼できます。複数の事業者へ個別に依頼する手間を減らせるだけでなく、情報伝達のミスも防ぎやすくなります。

工事スケジュールに影響を与えないためにも、対応範囲を事前に確認しておきましょう。

報告書の内容やサポート体制を確認する

調査後には報告書が作成されますが、その内容が分かりやすいかどうかも重要です。工事の実施には調査結果をもとに適切な対応を検討する必要があるため、建材ごとの調査結果や分析結果が明確に記載されていることが望ましいでしょう。

また、調査後の相談や行政手続きに関するサポートを行っている会社であれば、初めて依頼する場合でも安心です。費用だけで判断するのではなく、調査品質やアフターフォローも含めて総合的に比較することが大切です。

まとめ

建築物の解体や改修工事における事前調査は、健康被害の防止や法令遵守のために欠かせない工程です。現在は専門知識をもつ有資格者による調査が求められており、建築物石綿含有建材調査者をはじめとした資格制度が整備されています。また、調査と分析は異なる役割をもつため、依頼先を選ぶ際には対応範囲や実績も確認することが重要です。安心して工事を進めるためにも、資格保有者が在籍し、調査から分析まで適切に対応できる信頼性の高い会社へ依頼するようにしましょう。

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