建物の解体やリフォーム工事を行う際には、アスベスト(石綿)の有無を確認するために分析調査が実施されることがあります。しかし、分析結果報告書を受け取っても、どこを見ればよいのか分からないという方は少なくありません。本記事では、分析報告書の見方や検出・不検出それぞれの場合に必要となる対応について分かりやすく解説します。
アスベスト調査の分析報告書で確認すべきポイント
アスベスト調査の分析結果報告書を受け取ったら、まず内容を正しく理解することが重要です。報告書の様式は分析機関によって異なりますが、基本的に確認すべき項目は共通しています。アスベストの有無(定性分析結果)
最初に確認したいのが、アスベストが含まれているかどうかを示す定性分析結果です。報告書には、検出されず(不検出)やアスベストを検出といった形で結果が記載されています。アスベストが検出された場合には、クリソタイル(白石綿)やアモサイト(茶石綿)など、検出された種類も併せて記載されるのが一般的です。工事の可否や今後の対応を判断するうえでもっとも重要な項目であるため、まずはこの結果を確認しましょう。アスベストの含有率(定量分析結果)
定量分析まで実施している場合には、建材中に含まれるアスベストの割合も報告書に記載されます。報告書には、含有率○.○%というように数値で示されます。この数値は建材全体の重量に対してアスベストがどの程度含まれているかを表しています。とくに重要なのが0.1%という基準です。現在の法令では、アスベスト含有率が0.1%を超える建材はアスベスト含有建材となり、解体や改修時には法令にもとづいた対策が必要になります。分析結果を見る際の注意点
分析結果は、あくまでも提出した検体(サンプル)に対する結果です。たとえば、同じ部屋の壁材であっても施工時期や部位によって材料が異なる場合があります。そのため、一部の建材でアスベストが検出されなかったとしても、建物全体の安全性が証明されたわけではありません。未調査の建材が残っている場合は、追加調査や分析が必要になるケースもあります。報告書を見る際には、どの建材を分析した結果なのかまで確認することが大切です。
分析結果が不検出だった場合の対応
分析結果が、アスベスト検出なし(不検出)だった場合、多くの方は安心できる結果といえます。ただし、適切な対応を行うことも重要です。工事を予定どおり進められる
分析した建材についてアスベストが含まれていないことが確認された場合、その建材に関してはアスベスト対策工事を行う必要はありません。解体工事やリフォーム工事も、通常の建設工事として進めることが可能です。アスベスト除去費用や特別な飛散防止対策が不要になるため、工事費用や工期への影響も抑えられます。ただし、建物内のほかの建材について調査が完了していない場合は、それらの確認が必要です。分析結果報告書を保管する
分析結果が不検出だった場合でも、報告書は重要な記録として保管しなければなりません。アスベスト事前調査に関する記録は、法律にもとづいて一定期間保存する義務があります。分析結果報告書は、調査を実施した証拠となるため、工事完了後も安易に処分しないようにしましょう。将来的な建物売却や追加工事の際に、過去の調査結果として活用できる場合もあります。建物全体の調査状況を確認する
不検出という結果だけで安心せず、建物全体の調査状況も確認しましょう。とくに築年数が古い建物では、屋根材や外壁材、床材、天井材など複数の部位に異なる建材が使用されていることがあります。分析対象以外の建材が未調査の場合は、専門業者と相談しながら必要な調査を進めることが重要です。分析結果が検出だった場合の対応フロー
報告書にアスベスト検出と記載されていた場合でも、過度に心配する必要はありません。重要なのは、法令に従って適切な手順で対応を進めることです。アスベスト建材のレベルを確認する
アスベスト建材は飛散リスクに応じてレベル1からレベル3に分類されています。レベル1は吹付け石綿などで、もっとも飛散しやすく危険性が高い建材です。厳重な隔離措置や行政への届出が必要になります。レベル2は保温材や耐火被覆材などで、レベル1に次いで高い飛散リスクがあります。レベル3はスレートやPタイルなどの成形板で、通常の状態では飛散しにくいものの、切断や破砕を行う際には飛散防止対策が必要です。どのレベルに該当するかによって工事方法や費用が大きく変わるため、まずは正確な分類を確認しましょう。