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アスベスト報告義務対象の解体・改修工事を具体的に解説

公開日:2023/11/28 最終更新日:2023/11/29
工事

建物の解体や改修工事において、アスベストが含まれるかどうかの事前調査が法律で義務づけられています。一方で、ケースによっては不要になる場合があるのでよく確認しておきましょう。この記事では、報告義務の対象となる具体的な解体・改修工事について詳しく解説しているので参考にしてください。

アスベスト事前調査が必要な理由

アスベストは、肺がんなど、人体に悪影響をおよぼす物質であるとされています。したがって、飛散することによる暴露を防ぐため、建物を解体する前に含まれているかどうかの調査が不可欠です。大気汚染防止法により、アスベストが含まれているか否かを調査することを義務付けていることも理由のひとつです。

義務化されるにいたって背景としては、大気汚染防止法の改正による石綿障害予防規則の強化があります。2021年4月1日に大気汚染防止法が改正され、さらに2022年4月1日からはアスベストが含まれているか調査した結果の報告を義務付けるなど、厳格化されることになりました。

厳格化の目的は、アスベストが建築物に含まれている場合、解体工事により粉じんが発生し、周囲の環境や作業者の健康に影響を与える可能性を抑えるためです。法律にしたがい、事前の調査と報告を適切に実施することで、安全な解体工事が実現でき、アスベストによる人体への悪影響を未然に防ぐことが期待できます。

アスベスト事前調査の報告義務対象工事とは

事前調査の報告を求められる対象の工事には、具体的な基準が存在します。解体や改修工事にかかわる方には必須となる知識であるため、把握しておきましょう。

解体時

解体する建物の床面積が80平方メートル以上の場合、事前調査の報告が義務付けられます。これは、商業ビルなどに限らず、一般住宅も含みます。また、床面積の合計が80平方メートル以上のケースでも、請負代金にかかわらず適用されます。

たとえば、複数の棟で構成されている一般住宅において、床面積の合計が80平方メートルを超えるケースは規制当局に伝えなければなりません。

改造・補修工事時

請負代金の合計が100万円以上にのぼり、建築物を改造したり、補修したりする工事も報告対象です。該当するケースでは、給湯器や設備の交換など、構造物への穴あけや加工を主としない作業であっても報告の義務があります。

具体的には、給湯器などの機材交換工事の代金や、請負代金が税込換算で100万円以上かかった工事全般が対象です。また、工事が複数階にまたがる場合や、1件が100万円に満たない分割契約でも、合計の工事代金が100万円以上になったら報告必須です。

さらに、業者に依頼せず、自分で施工する場合であっても、補修工事の請負金額が100万円以上になる場合は報告義務の対象とされます。

アスベスト事前調査の報告義務が必要ない工事

アスベストの事前調査は、基本的に必須であることが大前提です。ただし、特定の条件下では報告義務が免除されるケースも存在します。報告には手間と時間がかかるため、免除されるケースを頭に入れておき、適切に判断できるようにしておくと効率的な会社運営ができるでしょう。

解体時

解体工事を実施する際、床面積が80平方メートル以上である場合に報告義務が発生します。したがって、請負代金が100万円以上に達していても、規定に満たない、少ない床面積に対する工事であれば、報告の義務はありません。これにより、小規模な解体工事においては、アスベストの事前調査結果の報告が不要です。

改造・補修工事時

改修・補修工事においては、請負代金が100万円以上の場合に報告の義務が発生します。よって、請負代金の合計が100万円に満たなければ、報告は不要です。

2006年9月1日より後にはアスベストを含む資材の使用が禁止されているため、その日より後に着工したことが図面などに記載されている場合は、アスベスト含有資材の使用がないと判断できます。

その場合は、含有がないことが記載された図面などの書面を根拠に事前調査結果報告書を作り、報告することが認められています。一方で、2008年2月5日には分析対象が拡大されたため、2006年9月1日より後、かつ2008年2月5日より前の工事に関しては、新たに分析対象となったアスベストが使用されている可能性があり、注意しなければなりません。

したがって、2006年9月1日より後、かつ2008年2月5日より前に着工された建物に関しては、調査を再び実施しなければなりません。以上のように、事前調査の報告が免除されるケースは存在します。

しかし、報告が免除される場合でも、着工前にアスベスト調査を行い、その結果を発注者に書面で報告し、現場に掲示することは必須であることは忘れてはなりません。

まとめ

アスベストの事前調査に関しては、解体工事においては床面積が80平方メートル以上であること、改修工事での請負金額が100万円以上であることが、報告義務が発生するケースです。また、2006年以降に着工した建物に関しては、基本的にアスベストの使用が禁止されており、不使用が確認できる図面をもって事前調査とすることが可能です。

しかしながら、作業員の安全と健康を守るために、アスベスト事前調査は必須です。工事関係者は法令を遵守し、十分な調査と報告を通じて安全を確保することが求められます。

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