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アスベスト調査のサンプル採集方法とは?注意すべきポイントを解説!

公開日:2024/04/15

アスベストは自然にできた鉱物繊維のことで、「石綿(せきめん・いしわた)」とも表記されます。繊維が非常に細かく、吸い込むとじん肺(肺線維症)やがんの一種である中皮腫を発症する恐れがある素材です。今回はアスベスト調査の必要性や調査にともなうリスク、サンプル採集方法、採集時の注意点について解説します。

アスベスト調査の必要性と危険性

2020年の大気汚染防止法改正により、2006年以前に建てられた建物の解体前にアスベスト調査をすることが義務付けられました。ここでは、アスベスト調査の必要性と危険性を解説します。

アスベスト調査の必要性

アスベストは熱に強いことや音を遮る性質、電気を通しにくい絶縁性を有していることから、船舶素材や建築素材として幅広く使用されてきました。日本で使用されるアスベストは海外の輸入品で、1970年代が輸入のピークです。

しかし、アスベストによる健康被害が取り上げられるようになると、2006年に国によりアスベストの使用が禁じられました。使用が禁じられた2006年以前の建物にはアスベストが使用されていた可能性があります。

こうした事態を踏まえ、2020年に大気汚染防止法が改正され、アスベストの飛散防止が強化されました。2022年4月1日から建物の解体などを行う業者は、対象となる建物にアスベストを含む建材が使用されているか否か、都道府県に報告することが義務付けられています。

アスベスト調査の危険性

アスベストは危険性が高い物質です。とくに、空気中に飛散したアスベストを吸い込むことで肺にダメージを与えることが知られています。アスベストに関する病気の特徴は潜伏期間が長いことです。石綿肺の潜伏期間は数年から20年、肺がんは20年以上の潜伏期間を経過してから発症します。これらの疾患を防ぐため、調査時にアスベストを吸い込まないよう、細心の注意を払わなければなりません。

アスベスト調査のサンプル採集方法

危険性があるアスベストを安全に調査するには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、アスベスト調査に必要な事前準備とサンプル採集方法について解説します。

事前準備

アスベスト調査で重要なのは、アスベストを吸い込まないことです。そのために必要なのが保護具です。使い捨ての手袋や防塵マスク、防塵タイプのゴーグル、防塵服を用意し、アスベストの吸引を防ぎましょう。採集するための道具として以下のものを用意しましょう。

・二重に梱包できるチャックが付いたビニール袋

・養生材

・へら状の工具であるスクレーパー

・カッター

・ハンマー

・飛散防止材

・高機能なエアフィルターであるHEPAフィルターを装着した掃除機

二重梱包する理由は、採取後のアスベストの飛散を防ぐためです。

サンプルを採集する場所

アスベストが使用されている建材は、解体時の飛散レベルに応じて3段階に分けられています。処理したときにアスベストが飛散しやすい度合である発じん性が著しく高いものをレベル1とし、レベル1に次ぐものをレベル2、最も発じん性が低いものをレベル3としています。

レベル1に分類されているのが吹付材です。吹付材は建物の天井裏や鉄骨の梁などに直接吹き付けられています。レベル2に分類されているのがアスベストを含む保温材や断熱材、耐火被覆材です。これらの製品は建物の天井裏によく使用されます。レベル3に分類されているのが、レベル1や2に含まれないアスベストを含む製品です。

レベル1やレベル2に比べるとアスベストが飛び散る可能性は低いですが、処理方法や劣化の度合いによって飛散するリスクが上昇します。

サンプル採集方法

サンプルを採集する手順は以下のとおりです。

・保護具の装着

・採集場所周辺の養生

・サンプルの採集

・事後の清掃

基本的には、表面をスクレーパーやカッター、ハンマーで削ってサンプルを採集します。最もリスクが高い吹付材は、採集する場所に水をかけアスベストの飛散を防止したうえで、スクレーパーで採集します。採集する体積は、10立方cmほどを3箇所程度です。

採集後は飛散防止剤を吹き付けます。床や壁の建材として使用されている成形板も、採集場所を水で濡らして飛散防止してから100立方cm程度をカッターで切り取って採集します。採集後は補修用プレートで穴をふさぎます。保温材や断熱材、耐火被覆材については、吹付材と同じ方法でサンプルを採集します。

アスベスト調査におけるサンプル採集時の注意点

アスベストのサンプルを採集する際、いくつか注意すべき点があります。1つ目の注意点は、表面だけを削ぎ取らないことです。採集する際は下地が確認できる場所まで、サンプルを採集しましょう。

2つ目の注意点は、同じ建材であると決めつけず、色の違いや使用した年代を考慮してサンプルを採集しましょう。採集する場所が近くても、材質が異なる場合があるからです。

3つ目の注意点は、採集する場所ごとで用具を洗浄したり、手袋を使い捨てるなどしてサンプル同士が混ざらないことも大切です。このように、調査時は細心の注意を払って正確にサンプルを入手するよう努めます。入手したサンプルは、建物名・採集場所・床や天井、壁といった採集した部位・採集した年月日・採集判断者や採集した人の名前などを記入して分析に回します。

まとめ

今回はアスベスト調査の必要性や危険性、サンプルの採集方法、採集時の注意点についてまとめました。アスベスト調査には、アスベスト診断士や建築物石綿含有建材調査者の資格が必要です。アスベスト建材は、場合により健康被害をもたらします。アスベストの調査が必要な場合は、調査の技術を持つ専門業者に問い合わせ、調査を依頼するとよいでしょう。

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