
アスベストを含んだ建材は健康に重大な影響を与える可能性があります。リノベーション時にアスベストが含まれている可能性のある建材を取り扱えば、大きなリスクをともないます。健康被害を避けるためには、事前の調査と適切な対応が不可欠です。この記事では、アスベストのリスクと対応方法について詳しく解説します。
リノベーションで気を付けるべきアスベストのリスク
リノベーションを行う際には、アスベストへのしっかりとした理解が大切です。とくに古い建物では、アスベストが使われている可能性が高く、これが健康リスクを引き起こす原因となりえます。
リノベーション中のリスク
リノベーション作業を行う際、建物を解体したり、古い壁や床を取り外したりといった作業中に、アスベストが含まれている建材を取り扱う場合があります。とくに、アスベストが使われた吹き付け材や壁材を切ったり破壊したりすると、アスベストの繊維が空気中に飛散します。アスベストの繊維を吸い込むと、健康被害が発生する可能性があるのです。
アスベストの危険性
アスベストは非常に細かい繊維状の鉱物で、耐熱性や耐火性に優れるため、かつては建材に広く使用されていました。とくに1960年代から1980年代にかけて、アスベストは断熱材や吸音材、屋根材などに使用されがちでした。しかし、空気中に舞い上がったアスベストの繊維を吸い込むと、深刻な健康被害を引き起こすのです。
少量を吸い込んだだけではすぐには症状は現れませんが、長期間にわたりアスベストの粉塵を吸い込み続けると、肺がんや中皮腫、肺線維症などの病気を引き起こす可能性があります。発症までに数十年を要するケースもあるため、予防が非常に重要です。
アスベスト使用の建物を見極める方法
リノベーションや解体作業を行う際には、建物にアスベストが含まれているかの確認が大切です。では、アスベスト使用の建物はどのように見極めればよいのでしょうか?調査の重要性とあわせて解説します。
建物の築年数をチェックする
アスベストが使用された建物を見極めるための最初のポイントは、建物の築年数です。アスベストは1980年代まで多くの建材に使用されていました。とくに、1995年以前の建物ではアスベストを使用している可能性が高いです。そのため、築年数が古い建物では、アスベストを含む建材が使われているケースが多いと考えられます。
設計図や仕様書を確認する
築年数だけでは、建物にアスベストが使用されているかの正確な判断はできません。新築時の設計図や仕様書には、使用された建材や材料が記載されている場合が多いので、設計図や仕様書をもとに、アスベストが使用されているかどうかを推測できます。
専門業者による調査を依頼する
築年数や設計図だけでは、アスベストの有無の完全な確認は難しい場合があります。そのため、アスベストの含有調査は専門業者への依頼をおすすめします。専門業者は、建材をサンプルとして採取し、アスベストが含まれているかどうかを詳しく調査してくれます。
専門業者の調査結果によって、リノベーションや解体作業を安全に進められます。
リノベーション時のアスベスト除去工事の流れ
アスベストは慎重に取り扱わなければなりません。ここでは、アスベスト除去工事の流れと、除去にかかる費用を軽減できる補助金の活用方法について詳しく解説します。
アスベストの確認と調査
リノベーションを始める前に、まずは建物にアスベストが含まれているかを確認する必要があります。確認するためには、専門業者による調査を依頼しましょう。業者は、建材を検査し、アスベストの有無をチェックします。
調査結果によって、アスベストが見つかった場合、除去工事が必要になります。
アスベスト除去工事の準備
アスベストが確認された場合、除去工事に進む前に十分な準備が必要です。まず、作業範囲を囲い、飛散を防止するための措置を取ります。専門業者は、アスベストを安全に取り扱うための装備を整え、飛散を防ぐための環境作りを行います。
リノベーション作業を進める前には、周囲の住人や作業者の安全を守るための十分な準備が必要になります。
アスベストの除去作業
アスベスト除去の作業は、非常に慎重に行う必要があります。作業中にアスベストが飛散しないように、密閉した状態で除去が進められます。除去作業は専門の資格をもった業者が担当し、アスベストを含んだ材料を適切に取り扱います。作業中には、空気中のアスベスト濃度を測定し、基準を超えないように監視します。
除去後は、除去したアスベストを適切に処理し、作業環境が安全かどうかを確認します。
まとめ
リノベーション時におけるアスベストのリスクは無視できません。アスベストを含む建材が使用されている場合、健康への重大な影響を避けるため、事前の調査と適切な除去が必要です。アスベストが含まれているかを見極めるためには専門業者による調査が不可欠であり、発見された場合は慎重に除去作業を行う必要があります。また、補助金の活用により除去費用の負担を軽減できるため、積極的に制度を利用しましょう。安全なリノベーションを実現するため、早期の対応が重要です。
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引用元:https://efa.co.jp/