PR

アスベストのレベル1・レベル2・レベル3の違いとは?

公開日:2025/11/18
アスベストのレベル

建物の解体費用を大きく左右する要素のひとつが「アスベスト」です。かつて断熱材や耐火被覆材として広く使われていましたが、現在では人体への健康被害が懸念されており、撤去には厳しい基準が設けられています。アスベストが含まれる建物を解体する場合には、専門業者による特別な対応が必要となり、レベルに応じて費用が大きく異なります。本記事では、それぞれのレベルの違いや特徴、費用の目安についてくわしく解説します。

アスベストのレベルの違いとは?

アスベスト(石綿)は、耐熱性や断熱性、強度に優れた素材として、かつて建物の断熱材や防火材などに広く使われていました。しかし、微細な繊維を吸い込むことで肺がんや中皮腫などの健康被害を招くことが明らかになり、現在では使用が禁止されています。

アスベストが使われている建物を解体・リフォームする際には、通常よりも慎重な取り扱いが必要になります。その危険性を判断するために設けられているのがアスベストのレベル分類です。

アスベストは、飛散性に応じて3つのレベルに分けられています。レベル1がもっとも危険性が高く、レベル3になるほど空気中に飛散しにくいものです。このレベルによって、撤去作業に必要な防護体制や処理方法、そして費用も大きく変わってきます。

発じん性による分類

アスベストは、発じん性に応じて3つのレベルに分類されます。解体作業を行う際には、レベルに応じた対策が求められます。

発じん性とは

発じん性とは、アスベストの粉じんが発生する度合いを指します。飛散性とほぼ同義で使われます。発じん性が高いほど、作業中に繊維が舞い上がりやすく、吸い込むリスクが高くなります。

そのため、アスベストの危険度を判断する上で、発じん性は非常に重要な指標です。建物に使用されている部材の種類や施工方法によって、この発じん性が変わるため、適切な分類を理解しておくことが大切です。

アスベストレベル1「発じん性が著しく高い」

レベル1は、アスベストの中でももっとも危険性が高い分類です。主に吹き付け材として使用されており、少しの衝撃や風でも容易に繊維が空気中に舞い上がります。

代表的な使用例としては、鉄骨構造の耐火被覆材やエレベーター周辺、天井裏・ボイラー室などに使われた吹き付けアスベストがあります。一般的な住宅の建材として使われることはほとんどありません。

このレベルのアスベストは、作業員が完全防護服と専用の粉じんマスクを着用し、負圧管理された密閉空間で撤去作業を行う必要があります。廃棄物の処理や搬出も特別管理が求められ、もっとも費用が高くなるケースが多いです。

アスベストレベル2「発じん性が高い」

レベル2は、レベル1に比べると発じん性はやや低いものの、依然として慎重な取り扱いが必要な分類です。主に断熱材や保温材、防音材などに使用されており、配管やボイラーの周囲、空調ダクトなどで見つかることがあります。

撤去作業では、作業区域を区切って飛散防止措置を施し、専用の防護具を使用します。レベル1ほど厳重な密閉空間を作る必要はありませんが、粉じんが広がらないように湿潤化するなどの対策が必須です。レベル2も人体への影響が懸念されるため、専門業者による処理が義務付けられています。

アスベストレベル3「発じん性が比較的低い」

レベル3は、アスベストがセメントなどのほかの素材と強く固められており、繊維が飛び散りにくいタイプです。代表的な建材としては、スレート屋根材、外壁のサイディングボード、ビニル床タイル、波板などがあります。

発じん性が低いとはいえ、切断や破砕を行う際には微細なアスベストが発生するおそれがあるため、マスクや養生などの基本的な安全対策は欠かせません。作業内容によっては専門業者の立ち会いが必要になるケースもあります。レベル3は日常的な使用ではリスクが低いですが、解体・改修時には注意が必要です。

アスベストレベル別の撤去費用相場

アスベストを含む建物を解体するうえで、気になるのは撤去費用ではないでしょうか。撤去費用は危険度に応じて高くなり、レベル1・2とレベル3とでは大きな差があります。

ここでは、レベル別の費用相場を紹介します。

アスベストレベル1

レベル1は、厳重な安全対策と密閉作業が必要になるため、撤去費用はもっとも高額になります。一般的な相場は1平方メートルあたり1.5万円~8.5万円前後です。

工事期間も長く、現場の養生や廃棄物処理のコストも含まれるため、建物全体で数百万円規模になることもあります。吹き付け材として天井や梁などに使用されている場合には、除去する面積が広くなり、費用も高い傾向にあります。

アスベストレベル2

レベル2は、レベル1ほどではないものの、飛散リスクが高いため、専門的な処理が求められます。相場は1平方メートルあたり1万円~6万円前後です。

配管やボイラー周りなど部分的な撤去が多く、建物の構造によって金額が変わります。作業環境の養生や飛散防止対策にコストがかかります。

アスベストレベル3

レベル3は比較的発じん性が低く、手作業での除去が一般的です。相場は1平方メートルあたり1万円~3万円前後となります。一般的な30坪ほどの住宅であれば、10~30万円ほどが目安です。

ただし、建物の規模や材質、作業範囲によって費用が上下します。解体作業中にアスベストが発見されると、適切な除去・処分が必要となり、除去にかかる追加費用が発生する可能性があります。自分で撤去できるケースもありますが、産業廃棄物としての処理が必要なため、専門業者への相談が推奨されます。

アスベスト解体の工事費用を抑えるポイント

アスベストの除去費用はレベルに応じて変動しますが、とくにリスクの高いレベル1だと数百万円単位のコストが発生することもあります。解体費用を抑えたいのであれば、補助金制度を活用したり、複数の業者を比較検討したりするなどの工夫が欠かせません。

補助金制度を利用する

多くの自治体では、アスベストの除去や調査に関して補助金制度を設けています。補助金の対象は、アスベストの事前調査費や除去費用の一部で、申請することで数十万円の補助が受けられる場合があります。

たとえば、東京都江戸川区では除去費用の3分の2の助成を行っています。住宅の場合には、最大30万円の助成が受けられます。ただし、助成を受けるには、建築物石綿含有建材調査者による調査が必須などの条件があります。

対象となる建物や申請期間は自治体ごとに異なるため、解体を依頼する前に自治体の公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。

相見積もりをとる

アスベスト除去費用は、建物の構造や使用箇所によって大きく異なります。そのため、複数の専門業者から見積もりを取り、費用や作業内容を比較することが重要です。

安さだけで選ぶと、適切な養生や処理が行われず、あとからトラブルにつながるおそれもあります。複数の業者を比較検討することで、信頼できる業者が見つかりやすくなります。

なお、見積もりの際は、作業内容や処理範囲、廃棄物処理費が明確に記載されているかを確認しましょう。

まとめ

アスベストは、その発じん性によってレベル1~3に分類され、それぞれ危険度や撤去方法、費用が大きく異なります。とくにレベル1・2は飛散リスクが高いことから、専門業者による厳重な処理が必要であり、費用も高額になりがちです。少しでもコストを押さえたいのであれば、補助金制度を活用したり、複数社の見積もり比較を行ったりするのが効果的です。ただし、安さだけで選ぶのではなく、これまでの実績も踏まえて信頼できる業者かどうか見極めましょう。アスベストは健康被害につながる恐れがあるため、不安がある方は、まずは専門業者に調査を依頼することをおすすめします。

分析精度の高さなら、こちらの会社がおすすめ

株式会社EFAラボラトリーズ

株式会社EFAラボラトリーズの画像 引用元:https://efa.co.jp/
確かな分析精度のためにアメリカの精度管理システムを導入
  • Point

    圧倒的な分析スピード

  • Point

    15万検体以上の豊富な分析実績!

  • Point

    都心にラボがあるため持ち込み可能

こだわり別!おすすめのアスベスト調査・分析会社3選

おすすめの関連記事