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アスベストの除去における4つの工法を紹介

公開日:2025/04/15
アスベスト除去

アスベストは、吸引によってさまざまな健康被害が懸念される危険な物質です。そのため、アスベストの除去工法の種類を知って、適切な方法で除去工事を実施することが求められます。本記事では、アスベストのレベルごとの危険性や、アスベスト除去の工法の種類について詳しくまとめたので、ぜひ参考にして下さい。

アスベストのレベルとその危険性

アスベストは、かつて耐火性や絶縁性に優れた優れた建築資材として広く使用されていました。しかし、その小さな粒子を人が吸い込むことで重大な健康被害を引き起こすことが判明し、新規の使用は2006年に全面的に禁止されました。

この物質は主に肺がん、中皮腫、石綿肺といった深刻な疾患を引き起こすリスクがあるため、現在ではその取り扱いに厳しい規制が設けられています。アスベストの危険性は、主にその飛散性と濃度に基づき、危険度を3つのレベルに分類することで評価されています。それぞれのレベルは以下の通りです。

レベル1(吹付け材)

最も危険性が高いのがレベル1に分類される「吹付け材」です。このタイプのアスベストは、わずかな衝撃や振動でも非常に細かい粒子が飛散しやすいため、取り扱い時にはとくに注意が必要です。

吹付け材は主に古い建築物の天井や壁に使用されており、解体作業や改修工事の際には慎重な取り扱いが求められます。専門家による適切なアスベスト分析と、安全装備を用いた対応が不可欠です。

レベル2(保温材・耐火材)

次に危険性が高いのがレベル2に分類される「保温材」や「耐火材」です。この種のアスベストも比較的飛散しやすい性質をもっており、取り扱いにはレベル1と同様の厳重な注意が求められます。

これらは主に配管やボイラーの保温材として使用されており、とくに老朽化した建物での作業時には細心の注意が必要です。サンプルを採取する際や、これらの材料に触れる作業を行う場合には、適切な防護措置を講じることが不可欠です。

レベル3(成形板)

最も飛散リスクが低いとされるのがレベル3に分類される「成形板」です。この材料は、ほかの素材と混ぜられて固められているため、通常時は粒子の飛散が抑えられています。

ただし、老朽化や損傷によって表面が崩れると一部の粒子が飛散する可能性があるため、注意が必要です。成形板は主に屋根材や壁材として使用されており、長期間にわたる風化や外部からの衝撃による劣化が懸念されています。

アスベスト除去においては4つの工法がある

アスベスト(石綿)を安全に除去するためには、主に「除去工法」「封じ込め工法」「囲い込み工法」「剥離工法」の4つの工法が使用されます。それぞれの工法には特徴や注意点があり、アスベストの種類や状況に応じて適切に選択されます。

除去工法

アスベスト除去のなかで最も一般的で推奨されているのが「除去工法」です。この工法は、アスベストのレベル1、レベル2、レベル3のすべてに適用可能です。とくにレベル1の吹付け材に対しては、下地ごと完全に取り除く作業を行うため、作業完了後にはアスベストが完全になくなります。そして、その後の点検や追加作業の必要がありません。

除去工法は、解体作業を含む建築物のアスベスト管理において必須とされ、安全性が確保される信頼性の高い手法です。しかし、その分作業の危険性が高く、慎重な作業が求められます。また、工期が長く費用も高額になるというデメリットがあります。

封じ込め工法

封じ込め工法は、アスベストを直接除去するのではなく、特殊な溶剤を吹きかけてアスベストを固める方法です。主にレベル1とレベル2に適用され、作業時間が短く、手間が少ないのが特徴です。この工法では、アスベストが飛散しないように処理するだけであり、完全に取り除くわけではありません。

そのため、作業後も定期的な点検が必要です。また、建築物を解体する際には再度除去工法による作業が必要になるため、一時的な対処として使用されることが多いです。

囲い込み工法

囲い込み工法は、アスベスト含有箇所を別の非アスベスト素材で覆うことで、飛散を防ぐ工法です。たとえば、天井にアスベストが含まれている場合、その下に新しい天井を設置して飛散を抑えます。封じ込め工法よりも作業時間が短く、アスベストに直接触れないため安全性が高いというメリットがあります。

ただし、この工法でもアスベストを完全に除去するわけではないため、建築物の解体時には除去工法が再び必要です。

剥離工法

剥離工法は、レベル3に分類される成形板の除去に用いられる手法です。この工法では、特殊な薬品を用いて成形板の仕上げ材や下地調整材を柔らかくし、取り除いていきます。剥離工法は成形板の除去に適していますが、取り残しがある場合には除去工法を併用する必要があるため、確実な作業が求められます。

まとめ

アスベストの除去は、健康被害を防ぐために非常に重要です。そして、その方法は「除去工法」「封じ込め工法」「囲い込み工法」「剥離工法」の4つに分かれます。除去工法は完全にアスベストを取り除く最も安全な方法です。一方、封じ込め工法や囲い込み工法は作業時間が短く、アスベストの飛散を抑えるために有効です。そして、剥離工法は成形板の除去に適しており、それぞれの工法は状況に応じて選ばれます。適切な工法を選び、専門家による安全対策を講じることで、アスベストによるリスクを最小限に抑えられるでしょう。

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